新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた生活スタイルの変化も、随分と浸透しました。マスクの着用や手洗いうがいの徹底、ソーシャルディスタンスの確保など、今では、ほとんどの方が当たり前のように実践されているのではないでしょうか。
このページでは、そうした生活スタイルほど一般化してはいないものの、人々の注目が集まり商品ラインナップが増えている、建材や家電などによるウイルス対策をご紹介します。
情報は2021年7月現在のものであり、こうした商品は次々と開発・リリースされています。外部リンクも複数ご紹介するので、ご興味を持たれ方はチェックしてみてください。
ウイルス対策商品1:
ウイルスや菌、悪臭・カビ・花粉までを減少させる照明
まず最初にご紹介するのは、光触媒と銀イオンでウイルスや菌を減少させることができるという、aiSave(アイセーブ)という照明です。aiSaveは、点灯と同時に有害細菌やウイルス、臭いの元となる原因物質、カビや花粉まで除去でき、しかも省エネ性能にも優れており、寿命は40000時間以上の間ずっと抗ウイルス・抗菌効果を発揮する商品と謳われています(寿命40000時間以上はLED照明と同等です)。
非常に画期的な照明「aiSave」の有効性については第三者機関の実験結果もWebサイト内で紹介されています。Webサイトによると、奈良県立医科大学や東京医科歯科大学にてaiSaveの有効性実証実験が実施されているようです。2021年1月奈良県立医科大学で行われた試験において新型コロナウイルス不活性化が確認されており、そのほか、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、大腸菌やミクロコッカスの除菌・抗ウイルスにも効果があると第三者機関の調査で報告されています。
ウイルス対策商品2:
抗菌だけじゃない!抗ウイルス性能を持つメラミン化粧板
2016年に業界初となる抗ウィルス性能を持つメラミン化粧板を発売したイビケンや、ウイルス建材商品「ウィルテクト」で2021年グッドデザイン賞を受賞したアイカをはじめ、さまざまなメーカーが抗ウイルス性能を持つ化粧板をラインナップしています。
耐熱性・耐水性・耐摩耗性に優れているメラミン化粧板は、もともと、水回りなどの使用条件の厳しい場所で多用されています。水回りは菌やウイルスの繁殖も多く、イビケンが2016年に発売を開始した抗ウイルスメラミン化粧板は非常に画期的な商品として社会に受け入れられました。メーカーごと・製品ごとに性能への差はありますが、どの商品も、抗ウイルス未加工品に比べてウイルスの数を減少させられるといわれています。
新型コロナウイルスへの効果について、例えばイビケンの特設サイトではエンベロープ型ウイルスへの有効性が確認できていることから新型コロナウイルスに対しても効果があるだろうと説明しています。
エンベロープ型ウイルスとは、エンベロープという脂肪・タンパク質・糖タンパク質からできている膜状のものに、包まれているウイルス。一方で、膜上のものに包まれていないのがノンエンベロープ型ウイルスです。エンベロープ型ウイルスはアルコールや一般石鹸でも膜が破れウイルスにダメージを与えられることに比べ、ノンエンベロープ型ウイルスはあるコーヅではダメージが少ない傾向にあるといわれています。
●エンベロープ型ウイルスの例: 新型コロナウイルス / インフルエンザウイルス / ヘルペスウイルス / 風疹ウイルス / B型やC型肝炎ウイルス / エイズウイルス
●ノンエンベロープ型ウイルスの例:ノロウイルス / ロタウイルス / ポリオウイルス / アデノウイルス
ウイルス対策商品3:
建物中で一番面積が広くなる「壁紙」の抗ウイルス性能
空気の流れにより壁紙に付着した菌やウイルスの繁殖を、可視光応答型光触媒作用により抑制する機能を持った壁紙があります。例えば、株式会社ナガイがラインナップするLemilliur(レミリア)です。Lemilliurは壁紙用のフリースに塗装を施したもので、一般ビニールクロスと異なり可塑剤を使用していないため人体に優しいという特徴も持っています。ウイルスは4時間で99.9%以上減少、最近は8時間で99.9%以上減少すると謳われています。
ウイルス対策商品4:
塗るもの全てを抗ウイルスコーティングする液体ガラス
ウイルスの感染ルートは、「人から人」だけではありません。「人から物」「物から人」を伝って感染するルートへの対策も大きな課題です。株式会社AQからリリースされている抗ウイルス機能性液体ガラス塗料はコーティングすることで既存の物を抗ウイルス仕様にできるといわれています。
液体ガラスをコーティングするだけで、美観を損なうことなく各種のウイルスや細菌の生存や増殖を減らすことができると、住宅や商業施設、食品工場や教育施設など、さまざまな環境で採用されているとのことです。
抗ウイルス機能性液体ガラス塗料を販売する株式会社AQのサイト
ウイルス対策商品5:
抗ウイルス性能を持ったカーテン
新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、さまざまなメーカーが抗ウイルスカーテンのラインナップを増やしています。抗ウイルス製品が増える中で確認したいのは、機能性が外部機関から認証されているかどうかです。例えばサンゲツが販売する抗ウイルスカーテンには、JTETC(一般社団法人遷移評価技術協議会)の基準に適合したことを示すSEKマークが付けられています。
サンゲツのホームページでは、エンベロープの有るウイルスを摂取した場合の2時間後のウイルスの数について抗ウイルス加工した物としてない物とを比較しながら、機能の有効性が説明されています。
ウイルスや細菌に強い住まい・施設づくりに注目が集まっており、今後は、抗ウイルス製品がますます増えていくと考えられます。新築やリノベーションの際、また、新たに家具や家電を購入する際には、抗ウイルス仕様の製品も検討材料に入れてはいかがでしょうか。